すべての物質がワイヤードで繋がる。情報が,思考が,意志が,手段が,ワイヤードを介して流通する。電子レンジのスイッチを入れるのもワイヤードを通じて。掃除機を操作するのもワイヤードを通じて。人間のIPから,電子レンジや掃除機などのIPへ。リアルワールドと同じ物差しでワイヤードが,覆い尽くす。
米国で開催中のネットワールド+インターロップ99で,米国ルーセント・テクノロジーのCEOリッチ・マギーンが講演した。マギーン氏は「今後インターネットがすべての生活の基盤になる」と切り出し,「2年後にはすべての家電がIPアドレスを持つ」との予測を披露した。
プロトコルは現在,IPv4からIPv6への移行を行っている。この,プロトコル6への移行を急ぐ理由はいくつかあるが,いちばんはIPの不足。ワイヤードに接続するには,そのひとつひとつが独自のIPを持たなくてはいけない。現在のIPv4では,約40億のIPしか発行できないため,地球の人口の一人ひとりにも与えることができない。さらに,個人が,家ではパソコンを使い,外ではモバイル機器を使い,また携帯電話でメールを受け取っている,などとなれば,10億の2乗個のIPを発行できるプロトコル6の導入は是が非でも急がなくてはいけない。
その先には,すべての端末がIPを持つことが想定されている。それは,電子レンジも,掃除機も,冷蔵庫も,ゲーム機も,猫耳帽子も(^^ゞ,そして人間自体も,すべてがIPで接続される。その時初めて,地球上の物質は一本の線で繋がる。リアルをそのまま覆う,ワイヤードが構築される。人間は,そのとき,長らく止まったいた進化を,推し進めることができるだろう。途方もなく広がる,しかしどこへでも行けるフィールドに,足を踏みしめながら。(kerberosさん,情報Thanxですm(_ _)m。)
|